先日iOSで「Ingress」というゲームがリリースされました。Googleによる大規模社会実験ゲームです。Androidではだいぶ前からリリースされていたみたいですが、「流行ってるゲーム」らしいので、新しいもの好きの筆者としては飛びつかざるを得ません!というわけでゲームの簡単な概要を踏まえてご紹介したいと思います。プレイするのに必要な物は、スマートフォンとGoogleアカウント、それに「外に出る習慣」です。
ストーリー
まずはこのムービーを見てみましょう。ヨーロッパで発見された謎の新エネルギー「XM」を巡り人類同士「Enlightened(覚醒派)」と「Resistance(解放派)」が対決するというストーリー。
地球の全員で「青と緑」に分かれて陣取りゲーム
かいつまんで話すと、このIngressというゲームは
・謎のエネルギー「XM」により人類が危機に瀕している
・地球規模で「青と緑」の2チームに分かれている
・GoogleマップとGPS情報を元にしたリアル陣取りゲーム
です。
現在(2014年8月18日午前9時26分)の戦況はこんな感じです。
今は青が優勢ですね。先々週までは緑が優勢でした。
緑チームは「Enlightened」。
謎の物質「XM」の技術を取り入れ人類を新たなステージへ導こうとする勢力。
青チームは「Resistance」。
謎の物質「XM」を信用すべきでないとし人類を覚醒派から、防衛しようとする勢力。
で、まずはなにしたらええねん
プレイを始めたときはとにかく戸惑います。第一に英語版しかないですし、周りにプレイヤー(ゲーム内用語で「Agent」)がいないとかなり手探りで始めることになります。単純そうで奥が深い、奥が深そうで単純なのがIngressの特徴だと思います。僕が思う「超ビギナーのため」の最初のステップは以下の3つです。
・SMS認証を行う
・INTEL MAPで近くにあるポータル(塔のように伸びる光の柱)の有無の確認
・ポータルが近くにあればまずは手当たり次第HACKしてみる
何を言ってるかわからないと思いますが、まずはこれでいいんです。このゲームではビギナープレイヤーは味方チームの攻防に関してはほとんど無力です。なので、ゲームを始めたころは「実生活のなかで」自分の好きなようにプレイをすればいいと思います。筆者の暮らす札幌駅周辺だけを例に上げれば「駅前通り」でかなりHACKできます。
このゲームの面白いところ
これまでのゲームと違い、Ingressは「外に出た者勝ち」です。車でも自転車でも徒歩でも、とにかく移動・移動・移動。家に引きこもってちゃレベルは上がりません。私たちの暮らす街で、アウトドアゲーマーたちの熾烈な争いが行われているのです。目には見えない形で。なので「僕が移動しないと意味がない」んです。筆者がこのゲームを通じて面白いと感じたところはこの点です。
ポータルと呼ばれる光の柱は街のいたるところにあります。傾向としては歴史的な建造物やオブジェなどがその対象であることが多いです。札幌の皆さんには馴染みの建物や銅像もポータルとして登録されています。しかしどうでしょう。札幌市民の我々でも、それらがどんな名称が付けられているのか、どんなルーツがあるのか、それを知ってる人はごくわずかでしょう。
札幌に在住の皆さん、大通公園にあるこれらの写真が何か説明出来ますか?
答えは上から
「円形噴水とマイバウム」(西11丁目)
「開拓記念碑」(西6丁目)
「ブラック・スライド・マントラ」(西8丁目)
「石川啄木歌碑」(西3丁目)
です。これら全てはIngress内でポータルとして認定されています。
Ingressは現代版「たんけんぼくのまち」だ
昔NHK教育で「たんけんぼくのまち」という番組がありました。チョーさんが配達の仕事をしながら、その街の文化や史実を手作りのマップに記していきます。Ingressはそれに非常に似ていると思いました。
ここまで説明して来ましたが、肝心のゲームの攻略方法は殆ど書いていません。筆者にとってそれはIngressにおいての「エッセンス」の一つにすぎないからです。このゲームで一番重要なことは「自分の街を知る」ということだと感じています。このゲームはとにかく移動します。ほとんど運動習慣がない私ですが、毎週日曜日にはだいたい10kmは歩いて札幌駅周辺のポータルを巡ります。オンラインゲームを通じて自分の街を知る、しかもフィットネスとしても効果がある。こんなことは全く思いつかなかったので、出歩くたびに新鮮な発見があるんですね。(余談ですが日本では「30〜40歳」が人生で一番運動をしない年代だそうで、その時に貯めた体の負債を50〜60歳にかけてフィットネスで返済しているらしいです。ジムなどにお金をかけて。)
日が沈むと肌寒く感じる事が多くなった北海道は札幌。昨日の昼間はとても空が高かったのが印象的でした。もう夏は終わっちゃったんですかね・・・とのセンチメンタルな気持ちになりながら、先ほど紹介した「石川啄木歌碑」の一句を引用したいと思います。大通公園3丁目のあの啄木像に何が書いてあるかなんて皆さん知らないでしょ?笑
しんとして、
幅広き街の秋の夜の、
玉蜀黍(とうもろこし)の焼くるにほひよ
僕が意訳すると
「とうもろこし、なまらウマそう」
です。
石川啄木もゆかりのある札幌、改めて自分の住んでいる街を振り返ろうと思った夏の終わりでした。ちなみにこの像は建設時に「右手にとうもろこしを持たせるかどうか」で一悶着あったとかなかったとか(割とどうでもイイ\(^o^)/)
<関連リンク>
Ingress [iTunes]
Ingress [Google Play]
【MMMMORPG】Ingress初心者まとめ【廃人無双】
今から始める「Ingress」新米エージェントが知っておくべき7ヵ条|週アス+
札幌散策・大通公園編
たんけんぼくのまち|Wikipedia